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2006年11月29日

介護サービス業界の将来動向

 約30年前、医療機関で行われていた血液検査(臨床検査)の外部委託が認められた。
当時は“微量の血液で病気の判別ができる”画期的な検査技術の進歩と医療保険(検査料)の右肩上がりにより「臨床検査は儲かる」という傾向があり、全国に800社以上の事業者が誕生した。
 その反面、他業種からの参入が相次ぎ、中には医療機関から血液を預かるものの、そのまま廃棄したり、検査をせずに適当な数値を書き込む、同一血液なのに検査数値が数十倍も異なったりと、世間を騒がせる事件が発生した。
 一方、当時の厚生省では右肩上がりの医療保険を抑制するため、1980年代に「検査のマルメ」を断行すると共に、検査データに関する品質保証という観点から検査精度管理を求め、委託する側の医療機関も同調して全国的に検査サーベランスが実施された経緯がある。
 これらの経緯を介護保険業界に照らし合わせて見ると、実に良く似た傾向が窺える。
 1990年代、増加しつつある高齢者対策の一環として助成金制度を創設し、特別養護老人ホーム(特養)、老人保健施設(老健)の整備を行ってきた。
 また、2000年の介護保険制度の創設と共に民間事業の参入を認め、その結果、有料老人ホーム、グループホーム、デイサービス、訪問介護ステーション等が全国の数千社誕生した反面、高齢者を死亡させる事故が発生したり、不正請求する事業者が出没したりと、時々世間を騒がせる事件が発生している。
 この様な傾向より介護サービス業界の将来を推測すると、「介護サービスの“質”」を求められる時代がやって来るのではなかろうか?
 特に、これまで建物、立地条件、交通アクセス等ハードウェアに重点を置いた考え方をしていた特別養護老人ホーム、老人保健施設、有料老人ホームの事業者は、入居されているお客様サイドに立った「介護サービスの“質”(ソフトウェア)」を早期に構築すると共に、経営・運営の“改革”を断行しなければ生き残れないのではなかろうか?

2006年11月15日

特別養護老人ホーム・老人保健施設の将来

 昨年10月、介護保険制度改正の一部が先行実施された。従来、月額5万円程度の利用料で利用できた特別養護老人ホーム(特養)や老人保健施設(老健)が食事、水道光熱費などホテルコスト名目で月額5万円から10万円の自己負担増になることである。
 そのことにより、自己負担という「金銭面」で特養も老健も民間が経営する有料老人ホームと概ね同一利用料金になったことで、利用者サイドの思考能力に「同一料金を支払うなら建物が新しい方が・・・」「プライバシーの守れる個室の方が・・・」「介護サービスの手厚い方が・・・」「交通アクセスや手段の利便性が高い方が・・・」「スタッフの接遇マナーや態度の良い方が・・・」等の変化が現れている。
 一方、2006年の介護保険改正では保険料の抑制を目的に介護認定基準の見直しや、介護予防の創設、特養・老健入居者へのホテルコスト負担増、区市町村への権限委譲等の施策を打出した結果、将来は手厚い公的助成を行っていた行政サイドも税収不足や介護保険料の見直し等を理由に公的助成の見直し、或は打切りが考えられるのではなかろうか?
 また、特養・老健入居者へのホテルコスト負担増と、民間有料老人ホームとの自己負担費用の比較により利用者サイドの思考に変化が現れ、人里離れた立地にある特養や老健から、交通アクセスが良く、個人プライバシーが守れる個室が支流の民間有料老人ホームへと利用者(お客様)の移動が始まり、経営難に陥る時代がやって来るのではなかろうか?
 そして、この様な事態を招かないためにも「介護は“サービス”」という認識に立って、入浴介助、排泄介助など画一的な介護サービス提供から脱却し、利用者(お客様)サイドに立った「介護サービスの“質”(ソフトウェア)」を早期に構築しなければ生き残れない時代がやって来るのではなかろうか。

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